2つの成功事例
①自己資金200万円だけで2200万円を調達して中古車センターを開業した事例わたしのところに訪れたのは藤元さんというつい先月まである中古車売買会社に勤務していたが自分の店を持ちたいということで退職したばかりの方でした。自分が思っている最低限の店にするためには、2500万円の開業資金の資金調達をしないと開業できない、とのことでした。しかし自己資金が200万円しかないということで、担保は当然なく、保証人もない状態(親御さんは70歳を超えていて年金生活なので保証人になるのは到底無理)。担保も保証人も用意できないというのは珍しい話ではありませんが、200万円の自己資金額では1000万円を借りるのも無理です。桑山 「希望額の2500万円が本当に必要なのかどうか一度検討してみましょう。」藤元さん「う~ん、もちろん今より予算が抑えられたらいいんですけど、でも中古車センター、とうたう限りは中古車は10台は並んでないとカッコつないし、事務所のスペースとかも考えた上で何回も試算した結果がそれですからねぇー、やはりそれくらいは最低ないと・・・」しかし、そう言われてもやはりなんとか、2500万円もなくても借りれるような事業計画にならないか、2人で額をつき合わせて考えてみました。
事業計画はかなり細かく書いておられるのだが、実際ひとつづつ「なぜこんなところにこれだけの予算が必要なんですか?」と尋ねていくと、必然性のないものが多々出てきました。
どうもこの藤元さん「中古車センターはこうあれねばならない」という考え方が強すぎるようです。極端に言えば、別に店舗を構えなくても自宅兼事務所で中古車売買はできるはず。・・・・本人の理想やポリシーがあるのでそこまでは言いませんでしたが、長い時間をかけて、予算を当初の2700万円から1800万円にまで落とすことができました。で、自己資金がすでに200万円あるので開業資金として1600万円を調達したらいい、ということになります。
しかしやはり、それくらいの額となると、保証人は年収で数百万円以上の人を用意してもらわないと苦しい。それも開業資金の借入先は日本政策金融公庫(こっきん)だけではどう考えてもこの額は無理です。
桑山「保証人は年収で数百万円以上の人はいますか?親御さんはもう70歳を超えておられるので保証人になるのは無理ですのでね。」
藤元さん「そうですかぁ う~ん、ちょっと考えさせてください」
後日連絡があり、当初は嫌がっていた親戚に頼み込んで、あたること3人目でやっと年収800万円の人に開業資金の融資の際の保証人になってもらうことの了承をとりつけたられたとのことでした。
でも、それでも日本政策金融公庫(こっきん)だけでの1600万円もの開業資金の融資を受けるのは無理であるのは明白なので、県の制度融資にもチャレンジしてもらうことにしました。
結局・・・・・
開業資金として、日本政策金融公庫(こっきん)から1000万円 県の制度融資からは1200万円を借りることができました。もちろん事業計画書をかなりしっかり書き込んだことは言うまでもありません。
ポイント
●開業資金を低く抑える工夫をとことんやるべき。
意外と「これだけの額がないと絶対開業できない」と間違った思い込みを持っているケースは少なくない。
●借りれる可能性があるところはたいてい複数ある。
ひとつずつ丁寧にあたってみるべき
②フリーターで無担保無保証人しかも自己資金30万円で開業資金の400万円を調達した事例
「400万円の開業資金を借りれました!」
「えっ!親御さんからですか?」
私は、とっさにそう叫んでしまいました。
「いいえ、親は普通のサラリーマンで定年まで勤め上げた人なんで、事業をやるなんてことにはまったく理解がないので絶対貸してくれませんよ。○○信用金庫からです」
「えっ? っていうことは、しっかりした保証人が用意できたんですね?」
「いいえ、前にも言ったように、親は保証人には絶対なってくれないし、親戚に保証人になってもらう、なんて言ったら親は発狂しちゃいますよ。」
「では、どうしてそんなに開業資金を借りることができたんですか?」
「えっ?忘れたんですか。桑山さんが『信用金庫を片っ端からあたったらいい。』って教えてくれたんじゃないですか!」
それは今から1ヶ月ほど前のことでした。
わたしのところに訪れたのは小池さんという32歳のフリーターの方です。
元アメフト選手らしくてがっしりした身体の方で起業準備のために1年前に会社を辞めたとのことでした。
インターネット上で、飲食店の割引サービスの運営(いわゆる”ぐるナビ”みたいなもの)をやりたい、ということでしたが、思ったより起業準備は進まず、お金も足りなくなって、時々アルバイトをして生計を立てているとのこと。いわゆるフリーターで、起業のために300万円の開業資金を調達したい、とのことでした。
わたし「保証人はありますか?」
小池さん「いいえ ありません」
わたし 「担保になるものはありますか?」
小池さん「いいえ ありません」
わたし 「そうですか それはしかたないですね~ では、自己資金はどれくらいありますか?」
小池さん「そうですねぇ~ 口座に30万円くらいかなぁ」
わたし 「えっ? 300万円借りるのに自己資金が30万円?」
これではどうしようもありません。開業資金として300万円を調達したい、というのは決して多い額とは思いませんが、それでも自己資金が30万円とは。 これではまず貸してくれるところはありません。
「担保になるものを持っている」という状態なんて人は滅多にいないので、それがないのはしかたありませんが、保証人あるいは自己資金のどちらかはないと話になりません。
小池さんは「そうですかぁ どうしてもだめですかぁ~」と言いながらも「事業計画書を作るのだけ手伝ってほしい」ということでA4で10ページにも及ぶものを作る手伝いはしたのでした。
今回はこれを提出しても極めて可能性が薄いことを小池さんも承知の上でしたが、長い目でみて、開業する際に役に立てれば、という思いでした。
仮に、高利の消費者金融から借りるにしたって、フリーターでは絶対貸さないものです。
それから1ヶ月後のこと、久々に小池さんから電話がかかってきたのです。
小池さん「桑山さん、400万円借りれました!」
桑山 とっさに「親御さんからですか?」
小池さん「いいえ、親は普通のサラリーマンで定年まで勤め上げた人なんで、事業をやるなんてことにはまったく理解がないので絶対貸してくれませんよ。○○信用金庫からです」
桑山 「えっ? っていうことは、しっかりした保証人でも用意できたんですね?」
小池さん「いいえ、前にも言ったように、親は保証人には絶対なってくれないし、親戚に保証人になってもらう、なんて言ったら親は発狂しちゃいますよ。」
桑山 「じゃあどうして借りられたんですか?」
小池さん「えっ?忘れたんですか。桑山さんが信用金庫をあたったらいい、って教えてくれたんじゃないですかぁ!」
ああっ、そう言えばたしかに
「開業資金でも、地方銀行や信用金庫から稀に無担保無保証で借りれる場合があるので、片っ端から当たったら可能性は 出てくるかもしれませんね」とは言った覚えはありました。
「だからダメもとで当たってみればどうか」と、続けたのもはっきり思い出してきました。
しかし、本当に可能性があると思ってそういうことを言ったのではありません。
小池さんが開業資金調達で何とか方法はないのか、となかなか帰ろうとせず、粘りに粘ってきたので「もう手はありません」とは言いづらく、まさに「気休め」で言ったにすぎなかったのです。
(われながら、何といういいかげんなコンサルタント・・・)
ましてフリーターなんぞに開業資金なんて貸すことなんてありえない話です。いや、そう思うのは、決してだけではないでしょう。
「コンサルタント」と名前がつく人100人に 聞いたら100人とも同じことを間違いなく言うでしょう。「現状では絶対無理です」と。
しかし、それからがこの小池さんは凄かったのです。信用金庫と地方銀行に片っ端からあたることなんと全16行、一つずつつぶしていって、16行目でやっと借りれたとのこと。
もちろん、わたしが手伝った事業計画書を、片っ端からあたっていった銀行の融資担当者の話をもとに徐々に改善あるいは付け加えていったことも大きかったようです。
わたしが手伝った時はA4で10枚程度だったのが、最終で借りれた事業計画書を見ると40枚くらいに膨れ上がっていました。
えっ?銀行の融資担当者は普通はこんな分厚いのは読まないのになぁ~と思いながら、「いやぁ、本当にありがとうございました。」と深々としたお礼までされて感謝されてしまいましたが、こちらがえらく恐縮してしまいました。
こちらがほとんど見捨てて、しかもいいかげんなことを言って感謝されたのは初めてだからです。
「そんな奇跡的な事例を教えてもらって本当にありがとうございました!」と言いたいのはこちらの方でした。
しかし、執念でどうにかなることもあるということか。
のちのち聞いたら、その信用金庫始まって以来の「フリーターに貸した事例」だったのです。
小池さんが電話で問い合わせた時に出てくれた○○信用金庫の担当者が、たまたま「無担保無保証で自己資金がまったくなくても、事業のアイデアが斬新で事業計画がしっかりしているところを支援したい。それが金融機関の本来の使命なんだ!」と強烈に思っている人(本当に希少価値)だったらしい。
だから事業計画書40ページでも逐一読んで、面接で事細かに小池さんに質問していったとのことです。
これはただのラッキーでしょうか。確かにラッキーな面もあるでしょう。しかし、16行も当たったから、その結果「良い担当者」にぶち当たった、とわたしは思います。
「運は動きまくらないとめぐってこない」ってことでしょうか。
ポイント
●資金調達はいろんなことを片っ端から当たってみないとわからない。行動量が「運」を呼び込む
●事業計画書をとことん説得力あるように書くのが肝要
開業資金の相談室
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私は冒頭でも申しましたが『新規開業のサポート』と『資金調達サポート』をやっております。会計事務所と経営コンサル会社勤務の中で長らく資金調達を専門としてきたコンサルタントです。
このホームページを立ち上げた理由。それはとても単純なことです。
「あなたにもできる開業資金の調達の方法を伝授すること」
「あなたにできるだけ早く開業資金を調達していただき早く起業していただくこと」
それだけです。
わたしは長年の開業資金調達支援の経験の中で、自分勝手な判断で(いわゆる我流)で資金調達に失敗してきた方々を数多くみてきました。
「もうちょっと早くこの人と出会っていたら」あるいは「もうちょっと早く相談してくれていたらそんな失敗をせずに済んだのに」と思う事例に枚挙にいとまがなかったのです。
前述した2つの事例は明らかに成功事例で、成功したポイントも列挙しましたが、実は最も大きなポイントがあります。
それは「借り入れにおける正しい常識を身につける」ということです。
えっ?正しい常識っておかしい日本語じゃないの?と思われたでしょうか?
「正しい常識」でなくどこからか仕入れてきた「間違った常識」をうのみにして借り入れにのぞんでおられる方が非常に多いのです。
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